1日2名の予約のみ。顧客が離れない理由とは
過去から学んだこと
私は過去に、三か月予約の取れないとても忙しいサロンで働いていた。勤務形態は、俗に言うブラック企業だった。今は改善されていると思うが、一時間の食事休憩もろくに取れず、一日13時間働いていた。多い時で10名のお客様の施術に入り、食事はパック中に立ったまま食べていた。当時、スタッフの間では、食事は飲み物だね、と笑いながら話していた。今振り返ると、よく頑張ったと思う。
ご予約が多い日の夜ともなると、朦朧としながら施術に入っていた。家に帰宅するなり、気絶するかのように寝ていた。そこまで来ると、寝ても疲れが取れず、自分の身体を酷使し過ぎて、お客様のお顔もお身体も、見れなくなって来ているのがわかった。高級サロンだったので、一人の単価が桁違いに高く、このままでは、お客様に対して大変失礼だと、オーナーに何度も掛合い、勤務形態は退職する頃には、少しずつ良くなって行った。高級サロンでなくとも、お客様のお身体や、お顔を見れなくなった時点で、施術者としては最低だ。
徹底した自己マネジメント
サロンをオープンする際に、決めている事がある。それは、徹底した自己管理と、予約管理だ。一人でサロンを運営するからには、当たり前だが、体調不良で穴を空けるわけにはいかない。そして、お客様にご予約でご迷惑をかけるわけにはいかない。私は、生涯現役が目標なので、無理のない長く続けられる道を選んだ。
一日の予約人数を制限するわけとは
開業したばかりで、確かに顧客は少なく、もっとお客様の予約を入れても良いと当初は思った。だが、それを続ければ、前サロンでの教訓が生かされない。目先の予約に走って、自分の体を駆使して、お客様への、おもてなしや、施術はできない。また、お客様のお身体やお顔が見れない、最低な施術者になってしまう。それを恐れた私は、1日の予約を2名に限定した。今後、これより、増やすつもりはない。
下記の記事を読んで頂きたい。
京都の花街のように、決して「一見さんお断り」というわけでは、女将さんの徹底したおもてし力に感動した。花街の女将さんの様との、おもてなしの内容は違えど、私が目指すおもてなしの内容がこの記事に通じるものがある。
全身全霊の施術
私は、しっかりとしたカウンセリングを重視している。初めのカウンセリングで30分以上かかってしまう事もある。ここでしっかりコミュニケーションを取り、お客様の情報を得たいのだ。得た情報で、私は施術に入る。全身全霊で施術を行うため、かなり疲労する。
体を休め、頭を切り替える時間
例えば、前の予約の方が、感じの悪い方だったとしよう。私は切り替えの出来ていない、嫌な気持ちのまま、次のお客様の施術に入ることになる。前の方の”悪い気”を受けたまま、お客様のお体を触りたくないのだ。室内の空気もそうだ。マイナスの空気感が滞ったままで、お客様をお出迎えするのも考えられない。その為、玄関先では、いつも浄化作用のある、白檀のお香を焚いている。ストレスを抱えたお客様も、室内に入れば、白檀の香りで浄化して欲しい、という意味合いも込めている。
無駄な時間の大切さ
人によっては、そんな時間があったら一人施術ができるのに、と無駄だと思われる時間が、私にとっては、とても重要なのだ。そういった理由から、一日2名のお客様の予約しか承らないと決めた。
開業したばかりで、何を言っているんだ。と言われるかもしれないが、私はプロとして、職人として、最高のパフォーマンスをお届けし、結果を出さなければいけない。その思いを理解してくださっているお客様は、リピートとなり離れない。
室内の香りも、音楽もお客様に合わせて全て変えている。最高のおもてなしができ、満足した時間を共有できる事が、お客様の笑顔を生み、私も笑顔になれる瞬間なのだ。
今日も笑顔を届けたい